ビジネスに携わる人の課題を解決し、目標への行動を加速させ、その達成を効率的に実現するためのサポートを行う
これがビジネス・コーチの役割です。これをもう少し詳しくお話しします。
ビジネス・コーチとコンサルタントとの違い
ビジネス・コーチングはビジネスに携わる人すべてを対象に、その人の目標達成を支援するために開発された「対話」のスタイルとスキルを指します。
よく聞かれるのは、「コンサルタント」とどう違うのか、ということです。
たしかにコンサルタントもビジネスの問題解決を支援します。対象は組織(企業)ですが、ビジネス・コーチングも経営幹部や管理職を対象とした場合、組織(企業)の課題解決を支援しますので、役割は同じとなります。
違いは問題解決へのアプローチとクライアント(コーチングを受ける方を言います)との関係です。
コンサルタントは、クライアントに対して何かを「与える」ことを役目としています。
「何か」とは、例えばその企業が取り入れていない経営メソッドや商品開発についての情報です。クライアントとの関係は、「与える」―「受ける」の関係ですから、いわば「先生」と「生徒」の関係となります。
一方、コーチは、クライアントの中から何かを「引き出す」ことを役割としています。
「何か」とは、その人に固有の強みや可能性、活用できる資源(リソース)、そして目標に向かう行動です。クライアントとの関係は、「引き出す」―「気づき納得する」の関係で、コーチはクライアントの「伴走者」の関係となります。
コーチングの基本的な考えは、「答えはクライアント自身(とその組織)の中にある」というものです。コーチは、それを探し当て、引き出し、活用して、行動に移すサポートを、クライアントと一緒にしてゆきます。
もちろん課題解決には新しい知識が必要です。それを探すこともコーチはサポートしますし、アドバイスを行うこともします。コンサルタントの機能を全く果たさないわけではありません。
しかし、最後に実行するのはクライアント自身です。
人間は「イメージできていないことは実現できない」とよく言います。つまり「納得していないこと」はやっても上手くいかないのです。自分で可能性を探り、選択肢をそれえ、祭儀に自分で決める。このプロセスは、特にビジネスでの目標達成にたいへん重要なものです。このプロセスを支援するのがビジネス・コーチの役割といえるでしょう。
自分と向き合う時間
ビジネス・コーチングがもたらすもう一つの特徴は、「ご自分と向き合う」時間を提供することです。
あなたが経営者や責任を持つ立場の方でしたら、ビジネスでいろいろな問題を抱えている、と思います。
しかし、ほとんどの問題の答えをあなたはすでに持っているのではないでしょうか?
気づいていてもそれを先送りしていたり、実行しない理由探しをしていたり、具体的な行動を描けなかったり。 問題によってそれが解決できない理由は様々ですが、解決のための方向性はすでにご自分の中に持っている、決めている方が ほとんどです。
ビジネス・コーチングは、そうしたご自分を第三者の視点から描くことで、あなたにご自分についてのあたらしい気づきを提供します。ご自分を客観的に見ることで、ご自分の強みや得意なことに気づき、何に捕らわれて動けないでいるのかもわかってきます。それが次の行動を促す準備を提供します。
ビジネスにはいろいろなスキルが必要です。ビジネスとはある意味でこのスキルを習得するための学習の連続です。それを支えているのがあなたの信念やビジョンです。ビジョン⇒目標設定⇒学習行動⇒スキル習得⇒スキル活用⇒目標達成、そしてまた目標設定。この繰り返しのスピードアップと効率化に、「自分を最大限活用できる」ビジネス・コーチングは威力を発揮するのです。
なぜ今コーチングなのか
今,コーチングは確実に注目を集めています。本屋さんに行くとコーチングの本がたくさん並んでいますし、Googleで「コーチング」を検索すると430万件もヒットします。コーチングはブームやトレンドではなく、現代社会に必要なものとして定着しつつあるのです。ですから「なぜ今コーチングなのか」を考えることにあまり意味がないかもしれません。
ですがここでひとつだけその理由を挙げるとすれば、やはり個人のもつ「可能性」が組織に比べて相対的に高まっていることだと私は考えています。
ITの進展が個人の持つ「能力」を大きく引き上げられたことはよく指摘されることです。ひとりでできることの範囲は大きく広がりました。特にビジネスでは、20世紀に比べると多くのことがひとりでできてしまう時代です。さらに個人のつながりであるネットワークを活用すれば、ひとりでできるビジネスの領域はとても広くなります。
そして事件は常に「現場」で起こります。現場にいるのは「個人」で、そこで処理が行なわれビジネスを動かしていきます。ビジネスは「個人」と「個人」の間で起こり,展開し、成果を生みます。そこでの経験とノウハウは「暗黙知」というカタチで個人に蓄積されてゆきます。ITと暗黙知が個人をどんどん育てていくわけです。
一方組織は、個人に必要なインフラを提供するだけの意味でしかなくなってしまいました。IT環境やデータベース、経済的、社会的な安心などです。それはそれで十分に個人にとって価値のあることです。しかし組織は現代のビジネスのスピードについていけません。ビジネスだけでなく行政や町内会、PTAなどを見れば判りますように、生活や社会においても組織の動きは緩慢で後手を踏んでばかりいる状態です。
しかし個人も組織が提供しているインフラの価値をすぐに捨てられる人ばかりではありません。能力的にも、また自分の生き方としても組織のなかで人生を歩むことを選択する人は依然として多数派です。組織のほうも個人の能力と暗黙知を失うことは組織の価値全体を損なうことを知っていますから,特に重要人材を組織につなぎ止める手段を研究してきました。
そうしたなかでのキーポイントが、「組織の目標と個人の目標を一致させる」ことで両者が同時に成長し成果を得てゆくことのできるシステムを創ることです。全体と個のバランスを求められているのが現在です。これに最も適応できるマネジメントと対話Dialogがコーチングなのです。個人をパフォーマンスを支援することで組織の成長をめざし、組織の機能を強化するために個人のモチベーションを創る。コーチングは個人がビジネスや社会を牽引する時代に最も必要な対話Dialogのフォーマットを提供するのです。
ビジネス・コーチングのテーマ
ビジネス・コーチングで取り上げるテーマは、クライアントが自由に選択いただけます。コーチングは、9回から12回にセッションによって行われますが、すべてを同じテーマでコーチしてもいいですし、極端に言えば毎回テーマを変えても構いません。
ここでは最近行っている2つのテーマについてお話しします。
開業起業コーチ
開業起業コーチとは、みなさまのように輝いているビジネス・ピープルの開業起業をサポートする、「パーソナル・コンサルタント」です。
開業起業コーチは、コンサルタントやカウンセラーにない、次のようなメリットをご提供します。
あなたに無理のない効率的な行動を働きかける。
開業・起業の直面にしているあなたは、いろいろな課題を抱えていると思います。やることが多すぎて24時間では足らない、と考えている方も多いのではないのでしょうか。でもそうした時こそ自分を客観的にとらえ、考えを整理することが必要です。
コーチをつけることは、自分を見る第3者の視点を手に入れることです。
コーチはあなたの状況を映す鏡です。あなたに的確なフィードバックを提供することで、あなたは状況を把握し、考えを整理し、優先順位を付けて行動に移すくとができます。効率的で無理のない行動を起こすために、コーチは伴走者のようにサポートします。
知らない自分を知る
コーチからのフィードバックは、知らない自分を発見することにもなります。
わたしはクライアントの「強み」を引き出すことを得意としています。起業・開業時こそご自分の強みを活用して行動力を高めるときです。
また、ビジネスにエネルギーを集中する環境を整えることもコーチの役割です。
仕事、健康、人間関係、環境といった生活要素のバランスを整えることで、開業・起業に集中できる状態を作り上げることにコーチはサポートします。
マーケティングに必要なアイデアと知識を提供します。
起業開業をスムーズに行うためには、マーケティングを確立することです。お客様との関係性を確立することがセールスにつながる第1歩となります。
開業起業コーチ中江は、いままでの経験の基づき、みなさまの事業をマーケティングの側面からサポートします。25年間企業のマーケティング開発を企画してきた知識と経験をみなさまに提供します。それは理論ではなく、具体的な課題を捉え、解決策を皆様と一緒に検討し、施策を提案します。具体的な行動に落とすことがコーチの役割です。
開業・起業コーチは、あなたの開業・起業を100%支援する「パーソナル・サポーター」です。あなたがマラソン・ランナーで、いつもそばに伴走者がいるイメージを描いてください。開業・起業コーチは、あなたのビジネスの伴走者です。
パーソナルブランディング
どんな人でも「個性」を持っています。この「個性」を起点に、あなたの人物像をポジティブに管理しビジネスに活用しようという考えがパーソナルブランディングです。「個性」を起点とするパーソナルブランドは当然あなたに固有のものとなります。しっかりとしたプロセスに基づきブランドを明確にすれば、あなた自身もビジネスにおいて明確なポジショニングを獲得することができます。
具体的にはパーソナルブランドはあなたについて以下の点を人々(ターゲット)に伝えます。
あなたはどんな人なのか?(ほかの人とどう違うのか?)
あなたは何をしてくれるのか?(私に何を提供してくれるの?)
あなたはどんな価値を提供するのか?(私にどんなメリットがあるのか?)
パーソナルブランドはあなたの「差別的優位性」を作り出すものであり、それはあなたに対する「信頼」の基盤となるものです。パーソナルブランドを明確に確立することであなたは以下のような成果を獲得できるでしょう。
自分の強みを120%発揮できる機会を手に入れることができる。
リーダーシップの確立が容易になる。
仕事にプレミアム・プライスを提供する。
営業活動が容易になる。
知名度が向上する。
顧客とのリレーションを強化する。
自分が何をしたらいいのかを明確に判断することができる。
パーソナルブランドはあなたのターゲット顧客の知性と感情面の両方に働きかけます。そしてあなたに対する顧客の「感度」を高める作用を発揮します。あなたの魅力を高めビジネスを円滑に進めるために、パーソナルブランドはあなたの有力な武器となります。
パーソナルブランディングは誰に対しても有効ですが、特に次のような人にお勧めします。
営業職の人。
キャリアアップを目指している人。
個人で事業を行っている人。または小規模な会社の経営者。
弁護士や会計士、中小企業診断し、建築家などの「士業」の人。
起業や転職を目指している人。